マーケティングの基本はTTP。でもその前に考えないといけないこと
TTPという言葉を知っていますか?実はコレ「 徹底的にパクる 」の略です。
僕も仕事において「得意技は?」と聞かれると、「TTP!」と答えるぐらいパクってパクってパクってパクリ倒しています。
日々、色々なものを目にして、情報に触れていると、サイトやチラシ、DMのデザインはもちろん、その内容まで「あぁ、これええ感じやなぁ」ってパクってしまいそうになります。
マーケティングや広告作成の基本は、自分で考えて作り出すんじゃなくて、うまく言ってる方法をパクって真似すること。
パクるというと聞こえが悪いので、カッコつけて「スワイプ(swipe)=盗む・借用」と言ってる人もいますが、意味は同じ。
でも、大事なのは、ただ単に徹底的にパクるだけではダメですよ~、ってことです。
サイトの構成やユーザーの動線までパクるとなると大変ですが、ヘッダーのデザインやトップページのデザイン、話の流れなんてすぐにパクます。
チラシだって簡単にパクって、すぐに同じようなチラシを作って配布することでもできます。
で、それで集客ができるかというと、実はあんまり効果は望めません。
パクるのは悪いことではない

こんなことを言うと、真面目な人は「そんなことしちゃダメ!」っていいますが、いいんです。
例えば、僕がこのブログで書いていることを、全て自分で研究して実践して編み出したかというと、そんな事はありません。ビジネス書やセミナーで学んだこと=パクって、実践した結果です。
で、そのセミナーの講師や書籍を書いてる人も、別の誰かからパクってます。あなたがサロンで提供している施術もスクールの学校や先輩、これまで勤めてきたサロンのパクリです。
「パクリ」がいやなら「模倣」と言い換えてもいいけど、人がやってることを真似しているという点で見れば、結局は同じこと。
0から生み出せるのは一部の天才

じゃ、なんでパクるのかというと、新しい施術や知識を自分でゼロから生み出すことなんてできないから。
例えば、鍼灸は仏教と同じ頃、飛鳥時代に朝鮮半島経由で大陸から日本に伝わったとされています。
中国ではいつ頃はじまったのかというと、孟子が書いた本の中に鍼治療についての記述があることから、春秋末期から戦国時代(紀元前3世紀頃)ごろには行われてたんじゃないかと言われています(諸説あり)。
じゃ、孟子が鍼治療を編み出したのかというと、そうではありません。
孟子は「こんなことがあるよ~」って書いてるだけ。
今でも鍼灸や漢方、気功の教科書として使われている『黄帝内経』だって、黄帝(中国神話上の皇帝)が、当時の学者さんたちに聞いたことや、調べさせたことがもとになっていると言われています。
つまりは、どこの誰がはじめたのかはわからないことを、延々とパクってパクってパクってパクって、改良が繰り返されていき、今の学問としての形ができあがってきたのです。
そのパクり尽くした最終形が、いま専門学校や大学で教えられている鍼灸の内容。
で、それを学校の先生からパクった人たちが、患者さん相手に施術している、ってことです。
別に鍼灸の先生方が、悪者だ~っていってるわけではないですよ。すべてがパクってパクっての繰り返し、だということを言いたいだけです。
いま、あなたが読んでるこの文章だって、僕がこれまでに読んできた書籍やセミナーなどで聞いた話のパクリの集大成です。
治療の技術なんかと同じく、チラシやHPのデザイン、コピーを0から全部自分で生み出すなんて、凄腕のクリエーターでも無理です。
しかも、それで集客できて、リピートも取れて、サロン経営の販売モデルを1から作り上げることができたら、それだけで大成功!
そんなことできるなら、経営学や経済学の学者さんになるか、ジェフ・ベゾスやイーロン・マスク、スティーブ・ジョブスみたいな、世界的な経営者になったほうがよっぽど稼げます。
だから、パクることは、ぜんぜん悪いことじゃありません。
でも、、、
TTP( 徹底的にパクる )の前に忘れちゃいけないこと

じゃあ、良さげな広告やホームページがあったら、そのままパクっちまえばいいのか、っていうとそうではありません。
マーケティングや経営に限らず、コミュニケーションする上で、人にものを伝えるときに外してはいけないポイントがあります。
それは【誰に】・【何を】・【どう伝えるか】。最初に説明した『広告の3M』です。
日常生活では、ある程度は無意識にできていると思います(できてない人は、周りとコミュニケーションが上手くとれてないはず)。でも、マーケティングでは、落とし穴がボコボコ空いてるので、しっかり考えないとけません。
姿勢矯正をオススメするケースを例に見てみましょう。
【誰に】が変わると、【何を】が、こんな風に変わります。
ケース①
【誰に】整体やマッサージなど、施術を初めて受ける人
【何を】施術を受けること自体が、全くの初めてなので、なぜ矯正やメンテナンスが必要なのか、このまま放置するとどうなるのか、そもそも矯正って何なのか、など、まずは基礎的な部分での目線合わせが大事です。
ケース②
【誰に】他で姿勢矯正を受けたけど、効果がでなかった人
すでに矯正を受けた経験があるので、他院と自院との違い。自院で受けるならこうなれるなど、差別化できるポイントや独自性を伝える必要があります。
ケース③
【誰に】自院のリピーターで、はじめて姿勢矯正を受ける人
すでに自院の施術を受けて、効果もでている(はず)なので、今の状態に姿勢矯正をプラスすると、どんな変化があるのか、どんな効果が得られるのかなど、さらにプラスできることを伝えることが重要です。
ココまで読んで、「ははぁ~ん」と閃いたあなたは鋭い。
【何を】はベネフィット

つまりはターゲットが分かってないと、ベネフィットも決まらないんですね。
だから「ターゲットファースト」なんです。
そして、【どうやって】は、ネットやチラシ、DMなどのチャネルや、そのデザインやコピーなど、広告媒体や目に見えるクリエイティブのことです。
で、【誰に】と【何を】が決まって、やっと【どうやって】を考える事ができます。
上の例の場合、
ケース①:初めてでも安心、痛くない怖くないなど、初心者向けの内容がキーとなります。
ケース②:どこに行っても改善されなかった、○院以上を受けてもダメだった人限定など、コレまでの結果に対して不満をいだいていることがポイントになってきます。
ケース①と②は、知らない人に知ってもらうことが第一なので、ネットやチラシ、フリーペーパーなど、いわゆる新規集客のセオリーに頼ります。
ケース③:さらに、こんな風に変われる、もっと健康に、などアドオンになる情報を訴求します。
また、すでにコミュニケーションがあるので、院内POPや口頭、メルマガ、DM、ニュースレターなど、色々な方法が使えます。
目に見えるのは【どうやって】の部分

さて、TTPの話に戻ります。
いいサイトやチラシを見つけると「パクったれ!」と思ってしまいがち。
でも、、実は見えているのは【どうやって】の部分だけ。
【誰に】・【何を】が定まってないままに、【どうやって】だけパクっても、思うような反応はでないことがほとんどです。
僕は整体院を開業してからコレまでに、何も考えずに表に見えてることだけパクって広告を作るということをしてきました。
で、全く効果がない、ってことをすでに何回も経験済みなので、そのまんまパクるだけじゃダメ!と自信をもって言えます。
いばることじゃないですけど。。。
ターゲットが高齢者の場合
ターゲットが高齢者が中心だったら、ホームページやPPCなどに時間とお金を割くよりも折込チラシやポスティング、コミュニティへの顔出しの方が効果が高いかも知れません。
なのに若い女性向けのサイトをパクっても、あんまり響かないし、そもそも見てもらえないかもしれないですよね(不要といってるのではありませんよ。ウェイトの問題です)
ターゲットが若い女性の場合
あるいは、20代のOLを集客したい場合に、10万部新聞オリコミしても、若い世代の新聞の購読率は低いので、どんなにいいチラシができていても反応は少くなりますよね。
て、なるとネットが中心だし、それもPCじゃなくてスマホに注力したほうが効果が望めます。
僕自身、色んなものをパクってるので、どんどんTTPしていけばいいと思います。
アイデアの参考にもなるし、すでに誰かが試しているので、ある程度の効果も検証済み。
なにより時間の節約にもなります。
僕のツールなんかも、いくらでもパクってください。
でも、まずは【誰に】・【何を】をしっかりと考えて、【どうやって】の使える部分だけ、サクッとパクりましょう。
じゃないと、アレでもない、コレでもない、とパクるもとになる広告を探すことだけに、時間を費やすことになってしまいますよ。
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