うまく集客できていないサロンや整体院に共通することがあります。
それは、 広告費 をかけていないこと。開業して間もないサロンでもよくあります。
その気持は、痛いほどよくわかります。
広告を出しても確実に集客できるわけではないし、 SNSや口コミを活用して無料で集客する方法もあるから、 お金をかけずにやっていきたい。
僕も整体院を開業した当初、同じように思っていたので。
でも、 結論からいうと、 広告費をかけないと集客はできません。
集客の2つの鍵

集客を成功させるためには。2つの大事な「鍵」があります。
1つ目の鍵:効果的なメッセージを作る
ターゲットを絞り込み、どんな悩みを持っているのかを突き止め、その見込み客を満足させられるベネフィット=未来像を、しっかりと見せてあげる。
さらっと簡単に書いてしまいましたが、これが実に難しい。
ここができていないと、当たり前ですが集客にはつながりません。
思い付きで作ったチラシや、見よう見まねで作ったホームページが集客につながらないのは、ターゲティング→メッセージまで一気通貫していないから。
でも、言い換えると、ここをしっかりと抑えることができれば、集客できる広告を作ることはできます。
もちろん、一回でいい広告ができるはずもないので何度もテストを繰り返すことが必要。
って、ここまでは、大抵の人は知ってます。
だから、集客の勉強をするんだし、HPやチラシの中身を変えたり、デザインを考えたりするわけです。
でも、多くの人が見落としている、というより、むしろ目をそむけたがっていることがあります。
それが2つ目の鍵です。
2つ目の鍵:メッセージをちゃんと発信する
歴代のアメリカ大統領が行った有名な演説の1つに、ジョン・F・ケネディ大統領の「We Choose The Moon!」があります。
1962年9月12日、ジョン・F・ケネディ大統領はヒューストンのライス大学で演説を行いました。そのなかで「We Choose The Moon(われわれは月へ行くことを選んだ)」と語り、アメリカの国家的な目標として、月を目指すことを高らかに宣言したのです。
この演説は全米に中継され、すぐに世界中の知るところとなりました。ま、合衆国大統領の演説なんで当たり前ですが。
でも、この名演説も自分の部屋でこっそりノートに書いてるだけでは、誰にも知られないし、人を動かすこともないですよね。ちょびっと、次元が違うように思うかも知れませんが、多くの人に知られないと意味がないのは集客も同じこと。
どんなにいいチラシのコピーやデザイン原案を作っても、印刷して配布しないと誰の目にも触れません。
メチャクチャ説得力があって、見込み客が動きたくなるホームページを作っても、アクセスがなければ誰も来てくれません。
じゃぁ、どうすればいいのか?
それは、しっかりと広告費を投資すること。
しっかりと広告費をかけて、見込み客に届くように発信しないと、せっかく作った広告もただの自己満足。
1人サロンや整体院をされている方は、広告費を出し渋る傾向にあります。
特に、儲かってないところは、ほぼ確実に広告費をケチってる。
うん。
その不安もわかります。
でも、お金かけないと集客はできません。
もちろん、飛び込みや紹介、SEOでの集客も見込めますが、それは計画を立てれるもんでもありません。
計画を立てられないということは、行き当たりばったり、ということ。
だから、計画的に集客したいなら、ちゃんと広告費をかけないとダメ。
なんです。
そして、

それでも口コミやSNSで無料集客がんばるから、広告費はかけない!!
っていう人もたくさんいますが、コレはちょっと考え甘し!
です。
広告費 が必要な理由①|無料集客は難しい

確かに、口コミやブログ、FacebookなどのSNSなど無料で集客する方法も、今では増えました。
Googleマイビジネスを使ったMEOもサロンや整体院での無料集客として、有効な方法に育ってきています。
お金をかけて集客できていようが、できいまいが、無料で集客したいのはみんな同じ。
そりゃ、ただでお客さんが来てくれるほど、ありがたいことはないですからね。
でも、みんながそう考えるってことは、それだけ競争が厳しいということ。
しかも、ちゃんとマーケティングのセオリーをおさえて、お金をかけた広告でちゃんと集客できている競合は、無料集客でも、やっぱりちゃんとマーケティングをおさえた方法で集客しています。
ということは、その競合に勝つだけのマーケティングができなければ、無料でなんて集客はできないのです。
これが頭に入ってなくて、ただお金をかけたくないから「無料で集客がんばります♪」っていう人がめっちゃいます。
そりゃ、集客できませんよね。
無料で集客 ってどんなもの?

無料集客とは、導入も維持にもお金がかけずに、タダで集客するということ。
文字通り、無料で集客です。
リアル集客の場合、チラシやDMを印刷した時点でコストが発生するから、無料で集客というと紹介ぐらい。
なので、今回はネットについてお話します。
ネットで無料で集客というと、主にブログ集客がこれにアタリます。
見込み客の悩みを解決するのに役立ったり、得したりなど、有用な情報を提供し続けることで、ファンになってもらいお金を使ってもらおう、というのが基本的な考え方。
最近では「インバウンドマーケティング」、「コンテンツマーケティング」なんて言ったりします。
ブログのツールとしては、ワードプレスをはじめ、アメブロやはてなブログなどの無料ブログが有名ですね。
他にも最近では、You Tubeに動画をアップするというのも、よく使われます。
ネットは無料で使えるリソースがたくさんあるので、それをうまく使えば、無料で集客することができます。
でも、ホントに集客に繋げるためには、いくつか大きな壁があります。
集客できるようになるまで時間がかかる

いい情報を発信しつづけるということは、1つ1つの記事の内容がいいものであることは大前提。
その記事を検索で上位表示されて見つけてもらうためには、SEOもちゃんとできてないといけません。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
さらに、ここからが大変なことが2つあります。
1つ目はボリューム
ネットの検索では、いい記事がチラホラとあるブログよりも、多くのいい記事があるブログが上位に表示されるようになっています。
言い換えると、どんなにいい記事があっても1つや2つだと意味がありません。
じゃぁ、どれぐらい必要なのかというと、100記事が一つの目安だと言われます。
100記事を越してくると検索にも引っかかりやすくなってきます。
1つ目の難関は、良質な記事を100本以上書くということ。
とはいえ、本職のWEBライターさんでもない限り、短期間で記事を量産する、なんてことはできませんよね。
なので、コツコツやっていくしかありません。
2つ目は古さ
ブログがどれぐらいの期間、運営されているのかというのも、検索で上位表示されるときに重要な基準と言われています。
長く続いてるブログのほうが信頼がおけるというわけです。
反対に、いい情報が載っていても、新しいブログやサイトだと信用度が低いということ。
会社やお店もそうですよね。
つまりは、役に立つ情報がたくさん載っている、古いブログが有利なんです。
ブログのコンテンツは、がんばって注力すれば、ある程度の時間でそれなりの量にすることはできます。
でも。
ブログを解説してからの期間、古さはテクニックや、努力でどうにかなるもんではありません。
古いドメインを買い取るという方法もありますが、今あるものを引っ越さないといけないし、変な被リンクがついるリスクもあるので、個人レベルで運用するには、現実的じゃありませんね。
無料集客でもマーケティングの知識が必要

誰だって、無料で集客したいのは同じです。
だから、有料でうまく集客できている人たちも、無料の集客を活用するのは、考えなくても分かること。
なので、それだけ競争も厳しくなります。
そして、有料であれ、無料であれ、人を動かすにはそれなりの理論とコツ(いわゆるマーケティング)があり、それを理解していないと集客できません。
有料でうまく集客できている人たちは、マーケティングの基本ができているので、無料でも集客できる可能性が高いです。
でも、1人サロンや整体院に限らず、小規模ビジネスで「無料で集客できるなら、お金をかけたくない」っていう人は、マーケティングを無視しちゃってるケースがめっちゃ多い。
無料だからマーケティングを学ばくていい、なんてことはないのです。
続ければ無料で集客できる資産になる

じゃぁ、無料集客に手をだすなってことなのかというと、そうではありません。
先程も書きましたが、検索で見つけてもらうには、ある程度のボリュームと継続期間が必要です。
だから、いますぐ、集客につながるなんてことはありません。
でも、コツコツと記事を書き続けて1年、2年、3年と経ったときには、それなりのブログができ上がっているはず。
すぐに劇的な効果は出なくても、ずっと書き続けていれば資産になるのです。
そうすりゃ、ちゃんと集客につながります。
でも、そうなるには時間が必要。
それまでは、やっぱり有料広告を使って集客しないと、やってけません。
もちろん、ちゃんとマーケティングの勉強も必要だし、SEOやWEBに関する勉強も必要です。
まとめると ・・・
①競合もひしめいているなか、選ばれるコンテンツを作り続けるのは、けっこう大変。
②これから先の事を考えると、ブログを使ったコンテンツマーケティングは絶対にやったほうがいい。
③でも、無料で集客できるようになるには時間がかかるので、それだけに頼るのはNG。
④だから、やっぱり広告にはお金をかけないとダメだよ。
てことです。
広告費 が必要な理由①|SEOは時間がかかる

また、ブログやHPも充実してくればSEOで、ある程度は集客できるようになっていきます。
だから「ブログでSEOガンバって集客します!」っていってお金をかけない人もいます。
でも、SEOはめっちゃくちゃ、クソほど時間がかかります。
一般に、サイトが立ち上がってから半年間は、ほぼSEO効果がないと言われます。
新しいサイトは信用がないということですね。
また、ある程度の記事数がなければ、中身がどんなに良くてもSEO的にはヨワヨワです。
その記事数の目安は200本。
数年前は100本ぐらいと言われていましたが、いまは優良なコンテンツがどんどん増えていってるので、200本ぐらいはないとダメと言わていれます。
しかも、1本1本の記事の内容が、しっかりと読者に有益なことが書かれているのはもちろん、それぞれの記事のEO対策もシッカリとできていることが重要です。
記事の文字数もSEO評価の大きなポイントの1つですが、目安としては3000文字。少なくとも2000文字はほしいところ。
400字詰め原稿用紙に換算すると3000文字なら7.5枚になります。でも、これは文字をびっちり埋めて3,000文字なので改行や段落を考えるなら9枚ぐらいの分量は必要ということ。
このボリュームで、1日1記事を毎日書いても、200本まで約7ヶ月。原稿用紙1800枚分。
もともと、ライターをしていて、文章を書くのも慣れているしスピードもある。ってう人でもない限り、かなり難しいですよね。
でも、これで集客できる!ではありません。
これでやっと、ユーザーが検索した結果に表示されやすくなるだけ。広告媒体に置き換えると、掲載されているだけの状態と同じです。
そこで、クリックされて、ブログを読み込んで、気に入ってくれて、集客につながるかっていうのは、また別の話。
って考えると、ブログでSEOだけで集客する。
というのは、かなり難しいというのが分かってもらえると思います。
1年間、毎日毎日書き続けても、ブログと個別記事のSEOがちゃんとできていなくて、内容もユーザーにとってメリットがあるものじゃなかったら、全然集客できない。っていう、オチが待っているだけです。
そもそも、SEOがちゃんとできてないと見てもらうことすらできないですからね。
もちろん、ブログを書き続けることは無駄ではないし、いまでは必須のツールです。
でも、ブログだけで集客できるようになる前に、整体院・サロンが潰れてしまっては、元も子もないですよね。
だから、開業して間もないころや、経営がうまく行っていないときこそ、広告費をかけて集客しないといけないのです。
SEOが効果を出して集客できるようになるまでの時間をお金で買う、それが広告費となるのです。
広告費 の適正値は?
とはいっても、ただただ、広告費を投資すればいい、というものでもありません。
広告費がちゃんと適正かどうか、収支に見合っているかどうかを計測することも大切です。

ホットペッパーに広告出したら、新規がいっぱい来た~、ウ~ヒョヒョ~♪
でも、なんでか分からないけど、利益が出なくてお金が残らない・・・
お客さんはいっぱい来てるのに、どうして・・・
なんて、悩んでるひとの多くは、広告費の計測ができていません。
新規顧客の獲得コストが回収できているかどうかは、単純に 広告費を集客人数で割っていても、正しく計測できません。
LTV(顧客生涯価値)を使います。
LTVで 広告費 が適正かを測る
LTVの出し方は、業種や扱う商材・サービスによって異なりますが、個人経営の1人サロンの場合は、2~3ヶ月が限界かなと思っています。
なぜなら、 新規集客のコストは先行投資 だから。
資金的に体力のない個人サロンは、あまり顧客獲得にジャバジャバと投資できません。10万円投資して集客しても、回収できるのが5年先ではサロンが潰れてしまいます。
なので、できれば2ヶ月。長くても3ヶ月が限界です。
では、例を使って説明します。
ケース①
新規顧客:10人
3ヶ月間の総売上:50万円
新規獲得コスト:5万円
この場合、50万円を10人で割ります。
50万円÷10人=5万円
新しく来たお客さんが3ヶ月間で平均5万円売り上げた=LTVは5万円となります。
このとき、 1回で終わった人も3ヶ月リピートした人も、全部ひっくるめて計算 します。
5人が10万円ずつ使っていたとしても、9人が1000円ずつで1人が49万1000円だったとしても、まとめて考えます。
次に、この数字と新規顧客の獲得にかかったコストを見比べます。
10人集客するのに5万円かかっていた場合、1人あたりの集客コストは5000円。
5000円で集客した人が3ヶ月で5万円使ってくれている ので、ちゃんと利益が出ていますね。
では、条件を少し変えてみましょう。
ケース②
新規顧客:10人
3ヶ月間の総売上:30万円
新規獲得コスト:10万円
新規客を1人獲得するのに、1万円かかってます。
で、1人あたりの売上が3万円。
1万円で集客した人が3ヶ月で3万円使っている のでペイしてますが、 利益はかなり少ない ですね。
いまはどの業界もそうですが、ネット広告の効果も落ちてきているし、チラシやフリーペーパーなどのリアル広告も効果が落ちてきています。
ちゃんとした広告が作れていても、新規顧客の獲得コストが1万円でも厳しいエリアや業種もあります。
競合が多い、広告がちゃんと作れていないなどの条件が重なれば、1人獲得コストが2万円、3万円というのも珍しくなくなってきました。
では、もう少し条件を厳しくして、見てみましょう。
ケース③
新規顧客:10人
3ヶ月の総売上:25万円
新規獲得コスト:20万円
2万円で集客した人が、2万5000円しか売上 ていません。
1人あたりの利益はわずか5000円。。。
10人来てるんだから、もうちょっと売上が高いだろ!と思いますか?
確かに、10人全員が3ヶ月間リピートすれば、もっと売りあげるでしょうね。
でも、リピート率が低かったらどうでしょう?
2回目以降のリピート率が50%、10回目リピート率が5%未満なんてサロンは、いくらでもあります。
そうなると、新規顧客が10人来ていても、3ヶ月間の売上が20万円いかないことも、余裕で起こりえます。
というか、僕のクライアントにもいっぱいいます。
あなたのサロンの10回リピート率は何%ぐらいですか?
リピート率も一緒に考えると
では、実際にあったケースをモデルに数字を見てみましょう。
モデルケース①
新規顧客:26人
2回目リピート率:40%(10人)
5回目リピート率:4%(1人)
3ヶ月の総売上: 173,000円
新規獲得コスト:13万円
1人獲得コスト:5,000円
13万円で26人も集客できているので、1人獲得コスト5000円。
でも、リピート率が低いので、利益はほとんど出ていません。
総売上の173,000円を26人で割ると約6,600円。
5,000円で集めたお客さんが6,600円しか売上ていない ので、1人あたり1,600円の利益。
3ヶ月の売上で見ていますが、実際には2ヶ月目にはリピートはいなくなっています 。
新規はいっぱい来るのに、儲かっていないサロンの典型的なパターンです。
モデルケース②
新規集客:6人
2回目リピート率:83%(5人)
5回目リピート率:83%(5人)
3ヶ月の総売上:46万円
新規獲得コスト:12万円
1人獲得コスト:2万円
12万円で6人の集客なので、1人あたり2万円。けっこうかかってますね。
でも、リピート率が高いので、それだけ売上が高くなっています。
3ヶ月のLTVは46万円÷6人=76,000円。
2万円で集めたお客さんが76,000円も売り上げている ので、1人あたりの利益は56,000円。
新規獲得コストだけを見てみると5,000円と2万円なので、モデルケース①の方が4倍も効率よく集客できているように見えます。
人数だけ見れば4倍以上。
だけど、LTVで見てみると、全然利益が出ていません。
でも「ホットペッパーに●万円で広告出したら、新規がいっぱい来た~、やった~」って喜んでいる人はたくさんいます。
ちゃんと広告費の投資回収ができるまでリピートが取れていればいいのですが気づいたらリピート客が減っている。
で、また広告出していっぱい来て「やった~」の繰り返しという、回し車状態に陥ってるサロンもたくさん見てきました。
広告費は集客人数だけを見るんじゃなくて、LTVで計測する。
これを忘れないでください。
詳しくは、動画でも解説しています。
お金をかけても集客できるか、分からないから・・・