「集客がうまくいかないので、 施術メニュー を増やしたほうがいいですか?」
という、質問をよくいただきます。
でも、これに答えるには
どんな施術をしてるか
どんな集客をしてるのか
どんな施術を増やそうとしているのか
どんな人がターゲットなのか
売上がどれぐらいで、どんだけ増やしたいのか
などなど、もろもろの情報がないと考えられません。
要はサラッと書いたメールのレベルでは、判断ができない、ということ。
でも、それじゃコンサルとは言えないので、施術メニューを増やすときにどんなことを考えるべきか?ということについてまとめてみました。
売れる見込みはあるのか
誰にも求められてない施術をメニューに増やしたところで、あたり前田の太尊さんですが、儲けにはなりません。
この施術をやりたい
ではなく、
これを求めている人がいる
というサービスを追加しましょう
少し話は変わりますが、定年退職したサラリーマンが夢だった手打ち蕎麦屋を始めたはいいけど、客は来ない、売上は少ない、儲けは出ない、で退職金を使い果たし、借金だけが残って持ち家も手放して、年金で細々アパート暮らし。
なんて、あるある話も、自分がやりたいだけでニーズがない商売を始めるから。
まぁ、定年までサラリーマンやってて、いきなり飲食店の経営なんて、ハードルが高すぎるんですけどね。
求めているお客さんがいる、というのは、ビジネスの基本です。
すでにサロンや整体院を持っているなら、蕎麦屋を始めるほどのコストはかかりませんが、それでも新しい施術を増やすには、それなりの時間とお金がコストとして必要なはず。
ちゃんとニーズがあるのか?
それを見極めないと無駄な投資になってしまいます。
粗利は大きいのか
粗利とは、売り上げから原価を引いたものです。
儲からないビジネスの典型は、粗利が小さいこと。
売上が10000円だけど原価が8000円かかるんじゃぁ、やっても時間の無駄になるだけで、儲けは大きくなりません。
薄利多売をしちゃいけない、ってのは小規模ビジネスの鉄則です。
リピート性はあるのか
リピート性がないのも、儲からないビジネスの典型です。
1回来て終わり、では売上は増えないし、ず~っとフルパワーで集客をし続けないといけないので、広告費がかかって、結局は儲けが小さくなります。
自分に集客できるのか
はい。
実はこれが最大のポイントです。
いま、あるていど集客できていて、さらに売上を増やしたいから、施術メニューを増やす。
これはOKです。どんどん取り組んでいきましょう。
でも。
いま、集客できてなのに、メニューを増やして、ほんとにそれで集客できんのか?
っていうのを考えずに新しいメニューを増やすと、痛恨の一撃を食らいます。
いまの施術やサービスは、これまで何年も勉強して施術もやってきて、特徴も、いいところも、悪いところも、どんな人に向いているのか、どんな人には向いていないのかを知り尽くしている(はず)。
その施術やサービスで集客できていないのに、苦し紛れで導入したメニューでホントに集客できるんですか?
ということです。
蕎麦屋さん話で例えると、そばで集客できないからといって、丼ものやうどんを始めるようなもの。
あるいは、ラーメンでもカレーでもパンケーキでも同じ。
まぁ、パンケーキは流行ってるから、一過性の集客にはなるでしょうけどね。
で、パンケーキと同じで、流行りの施術を増やしたところで、それが人気なくなったら、また新しいメニューを増やすことになります。
これも、大きなビジネスなら大丈夫なんですけどね。極端な話が、スクラップアンドビルドをくりかえせばいいから。
でも、1人サロンや整体院だと、新しいメニューを増やすたびに、技術セミナーに参加したり、教材を買ったりといった、新メニュー追加のたびにかかるコストが結構な負担になってしまいます。
見えないコストも考える
また、ホームページや看板、ポータルサイトなどなど、たくさんの場所にでているメニューの情報を修正しないといけません。
さらに、少なくともホームページには、そのメニュー専用のぺージを作ったほうがいいし、場合によっては専用にサイトを分けて作ることになるかもしれません。
となると、かなりのパワーとお金と時間がかかりますよね。
新しい技術を習得するだけだと、セミナーや教材代だけで終わりです。
でも、そこからさらに集客するには、最初には見えてないお金も時間もかかってきます。
そこを考えてないと、せっかく新しい技術を学んだのに、数か月たっても広告すら出せていない、、、なんてことになりかねません。
新しい 施術メニュー のポジション
新しいニューを追加するときに、考えないといけないことは、まだ他にもあります。
それは単独のメニューなのか、他のメニューと関連するフロントエンドなのか、バックエンドなのか。ということ。
単独メニューの場合は、それの施術メニュー自体でフロントエンドを作って集客し、バックエンドで利益を出す。という流れを作ることになります。
一方、他のメニューと関連してフロントエンド、あるいはバックエンドにする、という場合は、ターゲティングから集客、リピートとバックエンドに繋げるセールスフローまでを、他のメニューとの流れでしっかりと作りこむ必要があります。
例えば僕の整体院では、メインメニューとして整体がありますが、ほかに巻き爪矯正と体幹トレーニングもやっています。
他にもいろいろやってきましたが、いまの主力はこの3つです。
巻き爪矯正→整体
巻き爪矯正自体が利益率も高くリピート性があるメニューですが、僕はこれをフロントエンドに、整体をバックエンドとして売っています。
巻き爪矯正で来院
↓
巻き爪でリピートを勧める
↓
整体へ誘導するセールストーク
↓
高額回数券購入
ちなみに管理上の都合から、整体も巻き爪も回数券は共通にしています。
なので、巻き爪と整体がセットで売れると、もれなく136,000円の回数券になります。
巻き爪だけだと4~6回、半年程度で終了しますが、整体と組み合わせることで、年単位のリピーターに育てることができます。
整体→体幹トレーニング
体幹トレーニング単体での集客もしていますが、基本的には整体のバックエンドとしてあつかっています。
整体で来院
↓
整体で回数券購入
↓
体幹トレーニングへ誘導するセールストーク
その原因は、全身の筋肉がバランスよく使えていないこと。
骨格の歪みを整えるだけでも十分に効果はあるが、一緒に体幹トレーニングをすることで、より効果が高く持続するようになる。
スポーツのパフォーマンスも上がるし、ダイエットにもなるよ~
※整体でリピートしている間に、少しずつ刷り込んで「痛みをとる」から「より健康的でキレイに」へ、方向性を変えていくのがポイント。
↓
体幹トレーニングの定期コース申し込み
体幹トレーニングは、3か月、6か月、12か月の定期コースを販売しています。
金額はそれぞれ、13万8000円、25万8000円、48万円。
とはいえ、100%のお客さんに、こうして売れるわけではありません。
巻き爪で来たお客さんの95%は回数券を購入し、その8割ぐらいが整体でのリピートへ進みます。
体幹トレーニングは、お客さんの志向を見極めてからお勧めするので、人数は少なめで全体の2~3割ぐらい。
いきなり、ここまでセールスフローを作って、バンバン売れる!っていうのは難しいと思いますが、少なくとも、どうやって売るのか、どうやって利益を出すのか、ぐらいは考えておいたほうがいいですよ。
ツラツラと書いてきました、メニューを増やすことを、否定するわけではありません。
でも、その時に大事なのが、つぎの4つ。
1、売れる見込みはあるのか
2、粗利は大きいのか
3、リピート性はあるのか
4、自分に集客できるのか
この4つに当てはまるなら導入すればいいし、売れるための仕組みをしっかりと作っていきましょう。
そして、もし、いまメインの施術やサービスが、この4つに当てはまらないなら、、、
根本から変えていかないとダメ!
ってことです。
健康食品やサプリの 物販 を導入 して失敗する人に共通するある特徴
メニューを増やすのと同じように、物販の導入もキャッシュポイントを増やすために有効な手段です。
実際、物販の導入をしている整体院やサロンも多いし、メルマガ読者の方から、物販 の導入 について、こんな質問をいただくこともあります。
というもの。
でも、ちゃんと考えてから導入 しないと、お金の無駄遣いになってしまうかもしれません。
物販 は売上が増やせる有効な手段
施術を受けに来てくれたお客さんが、健康食品やサプリメント、サポーターなどを買ってくれると単純に売上がアドオンされるので、キャッシュポイントを増やすということから考えると、とても有効な手段です。
物販を導入 するあたっては、販売額はいくらか、利益率はどれぐらいか、仕入れロット数はどれぐらいか、などなど、気をつけることがあります。
このあたりはちゃんと数字とにらめっこして、シミュレーションすれば、それほど判断は難しくないはず。
既製品じゃなく、OEM商品であなたのオリジナルのサプリを作ることもできるので、そうするとブランディングにも活用できるので、余裕があるならぜひ導入すべき。
そして、数字的に問題がなければ「じゃぁ健康食品やサプリを販売しよう!」って始めることになると思います。
でも。
健康食品の物販 をはじめたはいいけど、サッパリ売れねぇ~
ってことに陥る人が少なからずいます。
こういう人たちは、実はメチャクチャ大きなことを見落としているのです。
物販に失敗する人が見落としていること
それは「自分がその健康食品を売れるかどうか?」ということ。
商品を買ってもううには、お客さんの持っている課題を明確にして自覚させ、その解決方法を提示して、どうしてその解決方法で効果があるのかを説明し、理解・納得してもらって、やっとこさ買ってもらうことができます。
それは施術でも、リピート獲得でも、健康食品でも、サプリメントでも、サポーターなどの物販 でも同じこと。
この説明がしっかりできないのであれば、いくらサロン内の目につく所に健康食品やサプリメントをおいてアピールしていても、買ってはくれません。
リピート率が上がるまでは物販はやらないほうがいい
いきなり質問ですが、あなたのサロンのリピート率はどれぐらいですか?
もし、50%以下なのであれば、まだ物販には手を出さないほうがいいでしょう。
リピート率が50%以下、ということは、世界中の他の誰よりも、よく知っているあなた自信の施術について、来てくれる人の半分にすら、ちゃんと説明ができていないということ。
時間をかけて学び習得し、どんな問題を解決できて、どんな特徴があって、どんな人に向いていているのかを理解しているはずの、あなた自身の施術をお客さんにちゃんと説明できていないのに、新しく取り入れた健康食品やサプリメントを理解してお客さんに説明して納得して買ってもらえるイメージって湧きますか?
こんな 状態で物販 を導入 しても、カタログに書いてある通り一遍の説明しかできないので、買ってもらうことは難しいと思います。
その結果、仕入れのお金だけがかかり、在庫を無駄に抱えてしまい、しつこく勧めたお客さんには嫌われ、というドツボにはまってしまうことに陥りかねません。
でも、言い換えれば、ちゃんとお客さんの課題を把握して、それにあわせて健康食品やサプリメント=解決策を提示でき、納得してもらえるだけの説明ができるなら、売れるということなので、キャッシュポイントを増やすためにも物販 を導入 したほうがいいと思います。
そうすれば簡単に売上が増やせますからね^^
メニューが多い サロンが、だいたい流行ってない理由
見込み客が選びやすいように、また メニューが多い 方が見込み客の目につきやすいからと、ホームページやチラシ、ポータルサイトなどで数多くのメニューを準備していませんか?
もしかすると、その メニューが多いことが、選ばれない原因かもしれません。
選択肢が増えると選べなくなる
選べるメニューやコース、クーポンががたくさんある方が、お客様に喜ばれそうな気がしますよね。
でも、実はそうではありません。
一般的に考えると、選択肢が多いほうがいいように感じますが、人間は選択肢が増えすぎると、どれか1つに決めることができなくなってしまうという傾向があります。
心理学教授のバリー・シュワルツ氏は、選択肢が無限にあると、思考が麻痺してかえって決めることができなくなり、結果的に選択したものへの満足度も下がると説いています(選択のパラドックス)
ジャムの法則
コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授は、選択肢が多くなると選べなくなるということを証明するために、1つの興味深い実験をしました。
引用:選択の科学
シーナ・アイエンガー「ジャムの法則」は、アイエンガー教授が、ドレーガーズという高級スーパーマーケットを舞台に、1995年に行った実験で、「豊富な選択肢は売り上げをあげる」というお店の方針を実証しようとするものでした。
ところが、結果は逆、24種類のジャムを売り場に並べたときと、6種類のジャムを売り場に並べたときでは、前者は、後者の売り上げの10分の1しかなかったのです。
試食をする人の数は24種類のジャムを試食に並べたときのほうが4倍程度多くなったそうですが、実際の売上では10分の1。4倍の人が興味を示したのに、10分の1の人しか購入していないので、比率でみるとなんと40分の1!
人は、選択肢が多くなると決めることができなくなってしまうのです。
メニューが多い ことがウリになるなら話は別
「じゃぁ、サーティーワンやミスドは?」と思ったあなたは鋭い。
サーティーワンやミスタードナッツは、選べるフレーバーやドーナツの種類が多いことそのものがウリ=USPです。
他にもアメリカにあるブリュスターズ・アイスクリームというチェーン店は、なんと170種類もメニューがあります。
一度、見てみたいものですよね。
ファミリーレストランも同じように、色々なジャンルの色々な料理があります。
これも年齢や好みがバラバラなファミリー層に来てもらえるようにというのが狙いなので、メニューが多いのがウリなのです。
サロン・整体院業界では
サロンや整体院でも、大手のチェーン店になると、同じようにたくさんのメニュー(コース)を用意しているところがあります。
整体系で大手のカラダファクトリーでは、11種類(2017年6月時点)。
エステ大手のTBCはフェイシャルだけで10種類、他にもボディシェイプ10種類(さらに部位ごとに分類)、脱毛、ブライダルエステ、メンズエステまであって、細かく数え上げれば100種類ぐらいあるんじゃないかと思います。(社内でも全部把握している人がいるのかどうかわかりませんが・・・)
こういった大手のチェーンは間口を広げて、いろんなお客さんを集め、多くのスタッフで回転させるというやり方なので、「あなたにあったコースがきっとあります」というのがウリになります。
でも、個人サロンではこれはやってはいけません。
というか、できません。
見込み客が選びやすいことが最重要
見込み客にとって一番気になるのは「ここに行くと、自分にどんないいことがあるのか」。
それをシンプルにわかりやすく伝えることが、とっても重要。
人間は怠け者なので、できるだけ考えることを避けようとします。
いろんなコースやいろんなサービスがあると、結局は見込み客に伝わらず「どれを受ければいいのか分からない、じゃ、別のとこにしよ★」となってしまいます。
せっかく興味を示してくれているのに、これではもったいないですよね。
興味を持ってくれたら、他に目移りしないうちに選んでもらう。そのためには見込み客にとってわかりやすいこと、選びやすいことが最重要なのです。
例えば、↓はホットペッパービューティに実際に掲載されていた、アロマリンパサロンのメニューです。
これが、すべて新規向けメニューとして横並びで表記されています。もっとたくさん(23種類)ありましたが、似たようなコースだけに絞りました。
全身アロマリンパ+美脚 60分¥3980
全身アロマリンパ+美脚(ホットストーン付) 60分¥4980
全身リンパ+立体小顔+デコルテ+保湿パック 60分 ¥5280
全身アロマリンパトリートメント 70分 ¥4980
全身リンパ+美脚+ウエストくびれ 80分 ¥5980
全身リンパ+美脚美尻造形 80分 ¥5980
これを見て、違いがわかりますか?
僕には、全然わかりません。
「全身アロマリンパ」と「全身リンパ」と「全身アロマリンパトリートメント」の違いが全くわかりません。
同じものなのかもしれませんが、それすらも伝わりません。
アロマやリンパの施術をしている人や、専門家じゃなくても詳しい人ならわかるのかもしれません。
でも、お客さんは専門知識のない素人です。
それぞれのメニューの詳細内容をしっかりと読み込んでくれれば違いがわかるのでしょうが、見込み客は読み込んで考えるよりも、わかりやすい他のサロンを選んでしまいます。
そもそも、パッと見てよくわからない情報が羅列されている、っていうのって、お客さんにとって親切じゃないですよね。
もし、あなたのサロンにたくさんコースがあるのなら、まずは似たようなコースを統廃合して、減らせないか考えてみてください。
それが肩こりや腰痛など、ほかの症状の原因にもなる。
(事前にほかの症状や悩みもちゃんとヒアリングすること)
また、カラダに歪みがあることが、足のバランスを変え、それが爪への負担となり巻き爪が治りにくくなる。
だから、巻き爪と一緒に体の歪みをもどして、バランスを整えないと片手落ちになっちゃうよ~。