テクニック№07 松竹梅

いきなりですが質問です。
あなたは、同性・異性問わず人に好かれるタイプですか?次の3つから選んでください。
いま、この時点で何人の人がこの記事を読んでくれているか分かりません。でも、それぞれの回答がどれぐらいの比率になっているか、僕はほぼ性格に言い当てることができます。
その比率は、次のとおり。
①めちゃくちゃ好かれる・・・・5~10%
②どちらとも言えない・・・・・・80~90%
③まったく好かれない・・・・・・5~10%
①めちゃくちゃ好かれる・・・・5~10%
②どちらとも言えない・・・・・・80~90%
③まったく好かれない・・・・・・5~10%
なぜ、こんなことが分かるのでしょうか?
それは、今のスマホやパソコンには読者の視線を追いかけて注目している部分を読み取る機能があるから。ではありません。
僕が遠くにいる人の心を遠隔で読める超能力者だから、というわけでもありません。
ましてや、僕がニュータイプとして覚醒し、洞察力が飛躍的に高まっているからでもありません。思いっきり地球の重さに魂を引かれたオールドタイプです。
そんなことではなく、ただ単に心理学的、統計学的な話です。
人には極端な選択や言動、行動を避けて、平均的で中庸な場所に収まりたいという欲求があります。これを専門用語では『極端性回避の法則』といいます。
なぜ、極端を避けて平均に収まりたいのか?
それは人間が群れで生きる動物だからだと考えられています。
群れの中で生きていくにはお互いに支え合い、助け合うことがとても大切。そのためには群れにいる他の人達と同じような価値観や考え方を持っていることが必要となります。
もちろん、いずこかの全体主義国家のように、みんながみんな全く同じ価値観や考え方を持つことは表面的にでも不可能だし、人それぞれの個性があって当たり前です。だけど、あまりにも周りとかけ離れた価値観や考え方に沿って行動していると、いずれは群れから放り出されます。
多くの人間はそうはなりたくない。言い換えると群れに属さないで生きていくことができません。だから、群れの総意から極端に外れない選択や行動を取るようになります。その結果として『極端性回避の法則』という心理的な働きが生まれました。
なんて、ちょっと小難しいことを書きましたが、要するに大多数の人は平均的な位置に納まってたいと感じ、極端なことを避けますよ、ってことです。
テストの平均点を聞いて安心したり、世代別年収の平均がどれぐらいかが気になるのは、自分が平均員対してどの位置にいるのかを知りたいから。そして、大多数というのが全体の80~90%ぐらい。だから、さっきの結果予測の数字になるのです。
①めちゃくちゃ好かれる=極端・・・・5~10%
②どちらとも言えない=平均・・・・・・80~90%
③まったく好かれない=極端・・・・・・5~10%
この数字は、これまでに行われてきた多くの実験や観察、過去の実績の分析などから明らかになったものです。
さて、では本題です。この『極端性回避の法則』を、サロンや整体院のマーケティングで活かすには、どうすればいいのでしょうか?
実はめちゃくちゃ簡単です。料金表やオファーの金額を変えるだけ。
例えばこんな具合。
・VIPコース 16,800円
・標準コース 9,800円
・お手軽コース 4,800円
これをマーケティング業界では『松竹梅の法則』と言います。上の例ならVIPコースが松、標準コースが竹、お手軽コースが梅にあたります。
ここで注目して欲しいのは、極端性を回避し平均を選ぶ人が8~90%もいると言うこと。つまり、料金表を変えるだけで80~90%の人が勝手に9,800円の標準コース(竹)を選んでくれるのです。そして、5~10%の人は売り込みをしなくても16,800円のVIPコース(松)を選びます。嘘のような話ですがホントです。
また、平均=竹にあたる2番目の料金は、あなたがいま提供している金額のままである必要はありません。
あなたが主力で売りたいと思っているコースの単価を今よりも上げたいなら、上げたい金額を上乗せして『松竹梅の法則』にそった料金表を作ってください。仮に20%上乗せしたなら、それだけで売上げがポンッと20%増えます。これも嘘みたいですが、ホントです。なぜなら人の潜在意識に働きかけるテクニックだからです。
最後に、もう1つ重要なポイントがあります。
それは、松→竹→梅の並び順。間違っても梅→竹→松の順にしてはいけません。その理由は、次のテクニックで解説しますので、お楽しみに。
で、先ほどの質問。
あなたは何番でしたか?
僕の答えは、、、内緒です。
テクニック№08 アンカー(カテゴリを変える)

関西で高級スーパーの代表といえばご存じ「いかりスーパー」です。
でも、いかりスーパーと言えば神戸のイメージが強い(ロゴが錨マークだから)ので兵庫県の人でも、いかりスーパーの本社は神戸にあると思っている人が、かなりいます。かく言う僕もそうでした。
では、本社はどこかと言うと、、、答えは後ほど。
さてさて、このいかりスーパー。高級スーパーの代名詞と言うだけあって、何を買っても結構なお値段してくれます。置いてる商品も高級品が多いので、イオンで買い物するようにヒョイヒョイ買い物かごに入れていくと、とんでもない金額になっちゃいます。いや、ホントに。
ワインやお肉なんかが高いのは仕方ないとしても、黒毛和牛のカツサンドが1,800円とか、5枚入りのハモンセラーノが2,500円とか、クリームチーズとグリッシーニのセットが3,200円とか。
そして、こういった商品を見た後に、カツサンド800円、国産生ハム1パック1,200円、クリームチーズとクラッカーセット1,800円、なんて金額を見るとあら不思議。安く感じてしまいます。
確かに最初に見た商品よりは安いです。でも、普段から行き慣れているスーパーやコンビニに比べると、倍以上のお値段。ぶっちゃけ高いです。
なぜ高いものを安く感じてしまうのか?
それは、最初に高い金額を見たからですよね。
最初に高い金額を目にしているから、その差で安く感じたわけです。
現象としてはごくごくシンプルだけど、シンプル故に効果は絶大。お店としては、後で見た商品を安いと感じて買ってくれればいいし、最初に目にした高い商品を買ってくれれば儲けもの。
そして、マーケティングでは、このように最初に商品やサービスに対する価格のイメージを植え付けることを「アンカーを打つ」と言います。アンカーとは船をつなぎ止める錨(いかり)のこと。アンカーが打たれたら、それ以降はアンカーを基準に判断をするようになります。
さきほどの例でみるなら、黒毛和牛のカツサンド1,800円というアンカーの後に800円のカツサンドを見ると、1,800円を基準に考えるので安く感じてしまうと言うわけです。
本来なら安い金額でもないのに、アンカーがあるおかげで安く感じる。まさに心理テクニックですよね。
では、このアンカーテクニック。どんなシーンで使えるかというと、いろんなところで使えますが、代表的で簡単な例を1つ紹介しましょう。
絶対間違えないで!「松竹梅の法則」の順番
1つ前のチャプターで紹介した松竹梅の法則。極端性回避の法則を利用して、労せず竹コースを選んでもらうテクニックですが、実はやり方を間違えると、アンカーが逆効果になってしまいます。
といっても、何も難しいことはありません。提示する価格をちゃんと松→竹→梅の順にするだけ。
松:VIPコース 16,800円
竹:標準コース 9,800円
梅:お手軽コース 4,800円
この順になっていれば、最初に松の金額でアンカーが打たれ、竹コースが安く感じるので売れやすくなります。
だけど、これを逆の順番にしてしまうと、一番安い梅の金額でアンカーが打たれ、竹コースを高く感じてしまいます。そうなると、なかなか売れない。
梅:お手軽コース 4,800円
竹:標準コース 9,800円
松:VIPコース 16,800円
なので、ごくごく簡単なことですが、松→竹→梅の順に並べるようにしてくださいね。
で、松竹梅よりも大事なこのセクションの本題。
いかりスーパーの本社所在地は、、、
兵庫県尼崎市でした。
まとめ
取り入れるだけで、サクッと売上を増やすことができる8つの心理テクニックをご紹介しました。一度にすべてをやろうとすると大変なので、まずはどれでもいいので1つだけ取り入れてみてください。
マーケティングとは、これすなわち心理学です。心理学を無視してマーケティングを成功させることはできません。ぜひあなたのサロン・整体院でも心理テクニックを使って、集客アップ・売上げアップに役立ててくださいな。
①めちゃくちゃ好かれる
②どちらとも言えない
③まったく好かれない