あなたは「 戦略と戦術 」の違いを説明できますか?
「●●の経営戦略」や「ブルーオーシャン戦略」、「プラットフォーム戦略」など、書籍や雑誌などでもよく出てくるので、聞いたことや見たことがあるんじゃないかと思います。
じゃ、戦術との違いは?
今回は、この2つの違いをわかりやすく説明します。
戦略と戦術 は軍事用語
戦略も戦術も「戦」という字が入ってることからわかるように、軍事のシーンで使われていた言葉です。
最初にビジネスに用いたのは、ピーター・ドラッカーだと言われています。
ビジネスも勘や経験だけに頼るのではなく、戦争と同じように環境を分析し、それに見合った作戦を立てることが必要だということで戦略という言葉を使ったそうです。
すごい発想ですよね。
その後、経営戦略や事業戦略、マーケティング戦略や販売戦略、価格戦略などなど、いろいろ所で戦略という言葉が使われるようになりました。
また、戦略という言葉が広く使われるにつれて、戦術という言葉も使われるよになっててきました。
この2つの違いって、なんでしょう?
戦略は目に見えない
戦略というのは、戦争の総合的な「準備」「計画」「運用」のことで、戦争に勝つための「長期的な」計略とされています。
例えば、そもそもどこと戦争をするのかとか、いつ戦争を始めるのかとか、戦争を行うための政治的な駆け引きなどです。
なので、戦略そのものは目に見えません。
戦略をまとめた資料などは見れますけどね。
サロン経営に当てはめるなら、提供するサービス、価格、広告宣伝など、目的や目標達成のために取る手段をまとめたものが戦略です。
戦術は目に見える
一方、戦術とは、戦闘に勝つための方法です。
戦闘は、極論すると、兵隊さん1人1人の戦いのこと。
戦場で兵隊さんが有利に戦うための戦力の配置や陣形、使う武器を決めるようなものを戦術と考えると理解しやすいと思います。
これらは、形や行動として、見ることができます。
サロン経営では、部分的で短期的な決定が必要なこと。
例えば、施術中にどんなトークをするのか?どんな広告を使うのか?どんなツールを使うか?などが戦術と言うことができます。
戦闘は、個別の症状に対するテクニックや、広告の写真やキャッチコピー、トークの切り返しなどになります。
なので、戦略があって、その下に戦術がいくつもぶら下がっている感じです。
決して反対ではありません。
考える時も、戦略があって、その戦略を実行する手段として、戦術を考えていきます。
この順番が間違っていると、集客がうまくいかない、リピートが続かない、価格競争に巻き込まれる、なんてことに陥ります。
また、戦略を無視して目につく戦術ばかりに手を広げていくと、それぞれの戦術がちぐはぐになってしまいます。
例えば、Facebook集客が流行っているからFacebook投稿したり、Facebook広告を出ししたりするけど、その受け皿になるランディングページができていなかったり、ランディングページはあってもFacebook広告の内容やオーディエンスにマッチしていなかったり、ということが起こってしまいます。
TVに映る戦略はじつは戦術
カンブリア宮殿やガイアの夜明、プロフェッショナルなどのTV番組で「苦境から大逆転した経営戦略」というのがよく出てきます。
観てて、すごく面白いし、勉強にもなります。観てない人はおすすめです。毎週見てください。
僕は地上波のテレビをほぼ見ないですが、この3つは録画して見ています。
あと、大河ドラマと。
そんな、ことはさておき、TVで戦略として写しているのは、実は戦術です。
戦略とは全体像なので、映像として成り立たないから仕方ないんですけどね。
で、実は。
戦略の上に、もう1つ大事な考え方があります。
それが『政略』。
戦略より大事な政略
政略とは、戦略の上位概念です。
あまりビジネス書なんかでは見かけないのですが、けっこう大事です。
実際の戦争では、この国の領土を取るぞ!とか、ちょっと懲らしめてやるぞ!など政治的な判断=政略があって、戦略が作られます。
政略がなくて、戦略だけがあると軍事独裁ですね。
サロン経営では「サロンを経営する目的」にあたります。
達成したい状態があって、そこまでのギャップを知ることで初めて戦略が立てられるのです。
なので、いきなり「戦略立てるぞ!」て言ってる経営者は的はずれ。
行き先も決まっていないのに、電車にのるぞ!って言ってるようなもんです。
政略・戦略・戦術・戦闘をプロ野球に例えてみると
政略・戦略・戦術・戦闘って言葉だけ見るとややこしいですが、スポーツに例えると、わかりやすくなります。
プロ野球球団の政略
プロ野球の各球団が目指しているのは、ペナントレースと日本シリーズ勝って、優勝=日本一になること。(のはず)
これが目的=政略です。
プロ野球球団の戦略
では、戦略はどうでしょう
日本一になるためには、チームを強くしないといけません。
そのために、助っ人外国人を入れたり、選手をトレードしたり、ドラフトで新人を取ったりといった選手の増強が行われます。
また、監督やコーチが変えたり、新しい練習やトレーニング、機械が導入されたりします。
もう少し、ブレイク・ダウンすると、選手の起用方法やピッチャーのローテーションなんかも戦略にあたります。
プロ野球では、より多く勝つための対策をすることが戦略です。
プロ野球球団の戦術
じゃぁ、戦術はというと、実際の試合での監督の采配です。
実際の試合では、点数やイニング、アウトカウントやボールカウント、ランナーの位置、バッターが誰か、ピッチャーは誰かなど、いろいろな要素が絡みあいます。
ヒッティングかバントか、代打を送るか、ピッチャーを変えるか、敬遠するのかなどなど、状況を分析し、打ち手を考えていく現場レベルでの指揮が戦術です。
いかにして、いま行われている試合に勝つための対策が戦術です。
プロ野球球団の戦闘
そして、選手一人ひとりのプレーが戦闘になります。
どれだけいいプレーをするかが戦闘、です。
どんなに頑張っても上位概念を覆せない
ここで大事なのは、下位の概念で上位の概念を覆せないということ。
どんなに1人の選手がいいプレーをしても、監督の指揮が悪ければ試合には負けてしまいます。
イチローがどれだけ素晴らしいヒットを打っても、監督からの他の選手へのサインが見送り三振だと、負けてしまいます。
また、1試合だけどんなに良い采配をしていても、どんなにいい勝ち方をしていても、ピッチャーが1人しかいなくて、交代選手がいなかったりすると、多く勝つことはできません。
サロン経営に置き換えてみると
サロン経営や独立開業の目的が政略です。
あるいは目的を達成するための目標です。
広告宣伝、メニュー、立地などなど、売上を上げるための方法が戦略です。
マーケティングも戦略の1つですね。
例えば、肩こり解消に特化して、肩こりの人だけを集客するというのも戦略の1つです。
施術やサービスそのものが戦術です。
肩こりと一口に言っても、症状は様々です。その症状やお悩みにあわせて、どんな組み立てで施術をするのかというのが、戦術です。
施術の1つ1つのテクニックが戦闘です。
筋肉をほぐす、リンパを流す、骨格を矯正する、ストレッチする、低周波や温熱治療器をあてる、などなど、施術全体を構成している、1つ1つの要素が戦闘です。
いくらサロンで経験を積んでも、経営とは無関係
整体やマッサージ、アロマなどのスクールで教えてくれるのは、戦術=施術の組み立てまで。それもバリエーションは限られています。
多くの場合、スクールを卒業した後、サロンで働いて経験を積むわけですが、それでも戦術のバリエーションが増えるだけ。
戦略や政略がないままに、独立開業するから、集客できない、リピートが続かない、一度受けてもらえば分かってもらえるのに・・・となって、結局は廃業に追い込まれます。
20年間も経験を積んで、開業して1年で貯金を使い果たして廃業なんてのも、珍しくありません。
いくら、従業員として戦術の経験を積んだところで、政略や戦略が立てられないと、経営はうまくいかないのです。
そして、戦略を立てるには政略=目的がしっかりと明確になっていること。
あなたも、本当の目的を明確にする、7つのステップのワークを、ぜひ試してみてください。
あなたの周りでも「戦略、戦略」て言って、戦術のことばかり話してる人はいませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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サロン集客塾 ヒャクゴエ!の山口でした。
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