「 オレにこの ペンを売ってみろ !! 」
「ウルフ ・ オブ ・ ウォールストリート」 という映画の劇中、 レオナルド ・ ディカプリオ演じる、 ジョーダン ・ ベルフォードが、 口にしたセリフです。
「オレにこのペンを売ってみろ」 と言われたブラッドというキャラクターは、 これぞセールスの真髄というような回答をします。
それも、 サラッと一言で。
僕はこのシーンを観て、 大げさでなく、 雷に打たれたような衝撃を感じました。
答えは、 後ほど。
どうやったら一言でペンを売ることができるのか、 ちょっと考えながら読んでみてください。
ちなみに、ネタバレがふくまれてます。
まだ、映画を観ていなくて、「ネタバレはちょっと ・ ・ ・」という場合は、このページをブックマークしておいて、映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観てから読んでくださいな^^
長くリピートしてもらう理由付けは?

整体院やサロン経営にとって、売上を増やして安定した経営をするために、だけ長い間 多くの回数リピートしてもらうことは基本中の基本です。
とはいえ、 これがなかなか難しい。
だから、 みんな試行錯誤を繰り返し、 四苦八苦するんですが。。。
肩こりや腰痛などの症状を改善したいから、 マッサージ ・ 鍼灸 ・ 整体などで施術を受けるというのは、 多くの人が思いつくことですよね。
実際、 集客するときには症状をメインに据えることになるし、 僕の院に来るのも症状の自覚があって、 それを解決したいからという方がほとんどです。
でも、 症状の改善だけにフォーカスすると、 痛みや苦痛がなくなったら(あるいは軽くなったら)、 顧客はニーズが満たされることになり、 離れていってしまいます。
なので、 顧客が気づいていない課題を認識させて、症状の一時的な改善以外の別のニーズを作り出す必要があります。
ニーズを作りだす

例えばそれは、 症状を改善するだけじゃなく、 再発させないための定期的なメンテナンスや、 健康器具 ・ 健康食品の購入。
自分でいい状態を維持できる体を作るためのパーソナルトレーニングやストレッチなど、 症状を改善したあとも、 続けてリピートする必要性(ニーズ)があると示すことが重要です。
つまりは 「腰痛を治したい!」 というニーズを持っている人に、 「腰痛を再発させないカラダ作り」 という別のニーズを作り出して前提条件を置き換えないと、 長期的なリピートは望めないということ。
でも、 腰痛が軽くなったあとで、
「じゃぁ、 これから月1回続けていきましょう」
とか
「バランス良くカラダを使えるトレーニングしていきましょう」
とか
「いい状態を維持するために、メンテンスしていきましょう」
さらには、
「車の車検と同じですよ」
みたいな、鉄板っぽいありきたりのセリフを言ってもちょっと遅い。
「なんで?もう腰痛治ったし。」
「メンテナンスとか言うてるけど、 ただ引き伸ばしたいだけちゃうの?」
「もしかして、 こんなに長く通う必要なかったじゃないの?」
と思われて、 なかなか受け入れてもらえません。
受け入れてもらえないどころか、こんなふうに感じられたら、お客さんとの間には、グランド ・ キャニオンよりも広くて深い溝ができて、もう修復は不可能。
だから、 症状が治まった時点ではなく、 最初から前提条件を置き換えてないと、 後出し感が強くなってしまいます。
「この ペンを売ってみろ 」 って言われたら、 、 、

ペンを売る方法は、 思いつきましたか?
正解は 「ペンパイナッポーアッポーペン」 。
ではなく、 「名前を書け」 。
映画では、 仲間が集まっているレストランでの食事中にこの会話がかわされます。
ジョーダン ・ ベルフォートは、同席している仲間たちに
といいますが、みんな黙り込んだり、違う話をしたり。
何かそれっぽいことを言っても、ダメ出しをされます。
そこで、最後に

ブラッド、俺にこの ペンを売ってみろ !
と言われたブラッドは、見事な回答をします。
しかも、この会話がされている間、ブラッドは店員にケチャップを持ってき来てくれ、と話をしています。
つまり、他の仲間の回答を聞いたり、その間に考え込んでいたわけでもありません。
「俺にこの ペンを売ってみろ !」
に対して、ブラッドはベルフォートの手許にあった紙ナプキンを指さして一言

そのナプキンに名前を書け
ペンを持っていないジョーダン ・ ベルフォードは、 名前を書くにはペンを売ってもらうしかないですよね。
ナプキンに名前を書くというニーズを作り出し、 その解決策として、ペンを売ったのです。
お見事。
あなたも、リピートを獲得し、長く続けてほしいなら、たっだ一直線にリピートが大事です。というだけじゃなく、お客さんが気づいていない新しいニーズを作り出すことを意識してみてください。
どんなふうに会話を展開すればいいか分からなければ、無料でダウンロードできるトークスクリプトを使って、あなたなりにアレンジしてみてください。
また連絡します 。という言葉はリピートしたくないお客さんの優しさ



はじめて来たお客さん、あるいは、リピートしているお客さんでも、次の予約を取ろうとしたときに、こんな風に言われたことはありませんか?
そして、予約の連絡が来るだろうと思って、待つあなた。
でも、待てど暮せど、連絡はない。
嘘を言われたのか・・・
なんで、いつまで待っても、お客さんからの連絡は来ないのでしょうか?
忘れたのかなぁ、と思ってレターやメールを送ったり、さらには電話をしてみても出てくれない。
だからと言って

と怒るのは、大間違い。
これは、お客さんの優しさの現れです。
ズバッと言わない優しさ
そもそも、お客さんは最初からリピートする気なんてないのです。
それは、来店する前からそう考えていたのかも知れません。
あるいは、施術があんまりだった、あなたの人柄が受け付けなかった、サロンの内装や雰囲気がイマイチだった、通いにくい場所にある、などなど、色々と理由があって、あとからそう考えたのかもしれません。
とにかく、理由は色々とあります。
リピートしたくない理由があったか、リピートするべき理由がなかったかのどちらか。
リピートする気がないなら、ズバッと
「施術がぜんぜん良くなかったから、もう来ません」
「ちょっと、あなたと会話があわないので、今回で終わりにします」
って、言ってくれれば良さそうなもんですが、そんなこと言う人いませんよね。
優しいお客さんは「リピートしません!」ってズバッと言っちゃうと、あなたが傷つくかもしれないとおもって、気を使ってくれていているのです。
それが



と言う言葉になってるのです。
「 また連絡します 」はリピートしないものとして考える
なので、こんな風に言われた場合は、もうリピートしないものとして諦めましょう。
カウンセリングや施術の中で、リピートする必要性を作り出し、感じてもらうことができなかった、ということです。
そもそも、リピート率100%なんてできるはずがないので、割り切ったほうが気持ちが楽ですしね。予約を入れておいて、無断キャンセルされるより、よっぽどありがたいじゃないですか。
それで後日、ホントに予約をしてくれたら、嬉しいし、めっけもんです^^
逆にお客さんに「気ぃ使わせてごめんね」ぐらいに考えておきましょう。
動画でも解説してるので、観てくださいな。
ポイントカードを使ってリピート定着率を上げる簡単なコツ
来店促進のためにと思って、 お客さんに渡している ポイントカード 。
ポイントが貯まれば割引にもなるのに、 あんまりリピート促進の足しになってないなぁ。。。
そんな、 悩みはありませんか?
実は、 ポイントカード でリピート率を高めるには、 ちょっとしたコツがあります。
ポイントカード に最初からおまけを付けておく

お客様がポイントカードのポイントを貯めたくなるコツ。
それは、 最初からオマケでポイントをつけておくことです。
スタンプカードなら、 お客さんにお渡しするときに、 いくつかスタンプを押しておくのがオススメ。
実はこの「最初からポイントカードのポイントが貯まっている」という状況が、 リピート率アップにつながります。
2つのポイントカードの実験

「ホントにそんなことでリピート率が上がるの??」と思いますか?
これを裏付けるために、 ジョゼフ・ヌネスとゼイビア・ドレーズという研究者が行った実験があります。
二人はある洗車場の顧客300人をサンプルに実験をしました。
その内容は、 次のどちらのポイントカードの方がリピート率が高くなるかを比べるというもの。
「8回利用すれば洗車が一回無料になる」ポイントカード
「10回利用で1回無料だけど、 最初から2回分スタンプされている」ポイントカード
どちらのポイントカードも、 あと8回洗車に来ないと無料の特典をもらえないのは同じ。
あなたは、 どちらのポイントカードのリピート率が高くなったと思いますか?
結果は明確に数字に現れました。
何も押されていない8回のポイントカードは無料特典に到達した方は19%。
一方、 あらかじ2回分のスタンプがされた10回のポイントカードは、 34%もの人が特典をゲットしました。
8回リピート率が約180%も増えた計算になります。
しかも、 まだ続きがあります。
オマケつきの10回ポイントカードを渡されたお客さんのほうが、 8回のポイントカードを渡された方に比べて、 洗車の間隔が2.9日短くなったのです。
つまり、 リピート回数もリピート頻度も、 おまけ付きカードのほうが良い。
という結果が出たのです。
おまけをつけるとリピート率が上がる理由

じゃぁ、 なんでおまけ付きポイントカードだとリピート率とリピート頻度が上がったのでしょうか?
それには2つの理由があります。
1つはツァイガルニク効果。
もう1つはコンコルド効果と言われるものです。
リピート獲得に効く心理効果① ツァイガルニク効果
ツァイガルニク効果とは、 わかりやすく言えば「中途半なものは気になるから、 最後までやってしまいたい」という心理的な働きのこと。
続きモノのドラマや漫画、 小説などは、 すごく盛り上がってきたところで次回へ続く・・・という引きがやってきます。
そうすると、 めっちゃ気になって続きが見たくてみたくてウズウズしますよね。
僕はアメリカのドラマ(特に24)でこれにやられました。
何回、 朝まで観続けたことか・・・
ポイントカードも、 最初から中途半端にポイントが貯まっていることで、 最後まで貯めないと気持ち悪い~ってなるから、 リピート効果があるのです。
リピート獲得に効く心理効果② コンコルド効果
コンコルド効果とは「せっかくここまでやって来たことが、 無駄になるといやなので最後まで続けよう」と思ってしまうこと。
ポイントカードのポイントが貯まっていくと、 もうここまできたなら最後まで貯めないともったいない~ってなるので、 続けて来ちゃうのです。
コンコルド効果とは
イギリスの高速旅客機コンコルドが、 事業を継続すればするほど赤字が増えていくことが分かっていたのにもかかわらず、 これまで投資してきた時間とお金を無駄にしたくないという理由で運用し続け、 最終的に倒産にいたったことからこう呼ばれます。
ギャンブル好きな人も「ここまで突っ込んできたお金を無駄にできない!」という固い決意で、 どんどんお金をつぎ込んでしまいます。
ツァイガルニク効果にしても、 コンコルド効果にしても、 お客さんは「リピートしたい!!」と思ってるわけではなく、 「ポイントカードを満タンにしたい!!」と思っています。
しかし、 その心理の働きをうまく利用すれば、 リピート率を高めることができるのです。
なので、 せっかくリピート促進のために渡しているポイントカードが、 白紙のままだとメチャクチャもったいない。
ポイントカードはおまけ付きで。
覚えておきましょう♫
ちなみに、 いくらポイントカードをうまく活用したからといって、 あなたのサロンが「リピートしたくない!」って思われるような状態だと意味がありません。
ポイントカードも大事ですが、 まずは「また行きたい」と思われるサロンになること。
当たり前ですが、 それが一番大事ですよね。
この映画のモデルになったジョーダン ・ ベルフォートは実在の人物です。
映画では、 どちらかというとアジ演説ばっかりで、 実際にセールストークをしているシーンはほとんどありませんが、 巧みなセールストークで株取引の仲介業で巨富を築きます。
が、 違法行為が発覚し、 あえなく逮捕され実刑を受けます。
出所後、 そのスキルを活かしてセールストレーナーとして、 セミナーを開催したり、 教材を販売しています。
なので、 「 ペンを売ってみろ ・ 名前を書け」 トークはけっこう有名です。
映画は3時間近くあるのに、 テンションを切らさず、 時間を感じさせないところは、 さすがは巨匠マーティン ・ スコセッシ。
ディカプリオのセレブっぷりと、 ヤク中っぷりもぶっ飛んでて、 おすすめです。
ちなみに、 映画に出てくる 「F★★k」 の回数でギネス認定されています。
性的に過激なシーもがかなり多いので、 お子さんとは一緒に観ないほうがいいかも。
俺にこの ペンを売ってみろ !