ゆでガエル の法則 って、聞いたことがありますか?
カエルを熱いお湯に入れると、飛び出して逃げだす。
でも、冷たい水に入れてから少しずつ沸かしていくと、温度の上昇に気付かずにそのまま茹で上がってしまう。
こうすると、美味しい茹でガエルができるよ。
っていう、カエル料理愛好家のためのグルメ・レシピ。
じゃぁなくて。
よくセミナーやビジネス書なんかで、
「このままの状態でいるとダメだよ~」
「取り返しがつかなくなる前に、動き出せよ~」
っていう説明に使われる、たとえ話です。
ゆでガエル になる前に逃げ出す

実は、この現象は科学的には正しくありません。
もともとは、19世紀にドイツのフリードリッヒ・ゴルツという生物学者が行った
脳の一部を切除したカエルを、水に入れて沸かしていったらどうなるか?
っていう実験が元ネタ。
実験では、カエルはお湯の温度が上がるごとに苦しみはしたけど、お湯から逃げ出すことがなかったそうです。
この『逃げ出さずに茹で上がった』という、結果が知られて 『水から沸かすと、カエルは逃げ出さずに茹でガエルになる』 というのが、カエルの生態についての通説になっていったとのこと。
そして、アメリカの思想家で文化人類学者、精神医学者のグレゴリー・ベイトソンという人が、この実験を引用して『環境の変化に気づけないとやばいよ』という話をします。
それが広まって、 『ゆでガエルの法則』 や 『ゆでガエル理論』 などと呼ばれるようになり、政治や経済だけでなく、軍事、勉強、スポーツなど、あらゆるシーンで、変化に対応できないとヤバイことになる!っていうたとえ話として使われるようになっていきました。
が、そこで生物学者さんたちから、ツッコミが入ります。
曰く
「熱湯に入れられたら逃げ出す間もなく死んじゃうし、水から沸かされても、熱くなってきたら逃げ出しちゃうよ」
そりゃ、そうですよね。
カエルだって生きてんだから。
我慢できないぐらいに熱くなったら、逃げるっちゅーねん。
たぶん、最初の実験のときに、水から沸かしたから逃げなかったんじゃなくて、逃げ出すことに必要な機能を担ってる脳の部位を切り取っちゃったから、茹で上がるまで逃げなかったんでしょうね。
でも、このゆでガエルのエピソードは、環境や状態の変化に気づかずにいるとヤバイ、ということを気づかせてくれます。
例えば、体重の増加。
遺伝的疾患や薬の副作用なんかの場合は別として、太ってる人の多くは、生活リズムの乱れや不摂生、運動不足なんかが原因で、少しずつ少しずつ体重が増えていく。
そして、気づいたら取り返しがつかないぐらいに、太っちゃってる。。。
あなたのまわりにもそんな人いませんか?
ゆっくりとした変化には気づきにくい

体重に限らず、ゆっくりとした変化には気づきにくいものです。
他に身近な例で見ると、お家の汚れや散らかり具合もおなじ。
きれいに掃除しても、いつも間にか汚れが溜まってる。でもそれほど気にならないのは、少しずつ汚れが溜まっていくから。
これが、きれいに掃除した1時間後に汚れが溜まってると、すぐに気づくはず。
電車に乗ってる人の大半がスマホ触ってる、っているのも、いつの間にやら当たり前になってしまいましたよね。
こういうアハ体験も同じ。※音量注意。BGMが流れます。
急に変わると気づくけど、ゆっくりだと気づかない。
汚れやスマホ、アハ体験なんかは、それで問題ありません。
でも、これが経営や集客に関わってくると、ちょっと大変。
いきなり経営悪化!はあまり起こらない

例えば、近隣に強力な競合がボンボン出店してきて、広告も出しまくって、キャンペーンやりまくってたら
「これはちょっとヤバいな・・・」
「お客さんを取られないように対策しないと」
って、感じるんじゃないかと思います。
効果的な対策が取れるかどうかは、別として。
でも、そんなことって、あんまり起こらない。
どちらかというと、目立たない競合が知らないうちにたくさん増えてて、気づくと集客しにくくなってる。ってケースが多いと思います。
なので、目に見える変化としては、ごくごく小さなもの。
10人集客できてたのが、9人になった。
売上が先月より3万円下がった。
これだけなら
「今月、ちょっと悪かっただけ」
「天候が悪かったから、客足が鈍ってるだけ」
で済ませてしまうぐらいの、小さな変化かもしれません。
でも、これが半年続けば?1年続けば?
毎月の変化は、ちょっとしたことだけど、積み重なるとドえらいことになっちゃいます。
そうなってから巻き返そうとしても、かなり大変なことは簡単に想像ができるはず。
待ってても誰も分けてくれない

色々と反対や批判もあるかもしれませんが、集客というのは、つまるところパイの取り合いです。
例えばパイが10個ある場合。
取り合いに参加するのが4人だったら、3個・3個・2個・2個、とか、4個・3個・2個・1個、という感じで、集客力がなくてもある程度のパイをとれます。
でも、競合が増えたらどうなるでしょう?
増えた競合に集客力がなく、1個しかパイを取る能力がなくても、10人になった時点で、1人1個ずつしか取れなくなります。
そのうちの3人が2個ずつ取っちゃったら、残りは4個。
少なくとも3人は1つも取れなくなる。
もし、3人が3個ずつとったら、残りのパイは1個。
6人は食いっぱぐれてしまいます。
1人1個ずつしか取れなくても、参加する人数が20人いれば、それだけで半分の人は1個も取れなくなります。
もちろん、話はこんなに単純じゃないけど、これが現実に起きていることなんです。
別に10個のパイを、全部取れるようになる必要はありませんし、独り占めする必要もありません。
そもそも、個人事業の経営規模で、そんな事できないですしね。
でも、あなたが食べてくのに2つ必要なら2つ、3つ必要なら3つ。
自分で取れるようになってないと、誰もパイを分けてはくれないのです。
もし今、あなたが集客ができない、リピートが取れない、売上が増えない、減ってきている、って状態なら、、、
今までと同じ考え方、同じ行動をしていても、よくなることは絶対にありません。
接骨院や整骨院のグレーゾーン診療も、包囲網がどんどん狭まってきてます。
確実に、もっと集客できなくなっていくし、売上も落ちていくし、収入も減っていきます。
何もせずにいたら、今取れているパイも取れなくなって、そのうちパイのカケラすら取れなくなってしまいます。
そうなった、その先は、、、
どんなことを想像するかは、あなた次第。
もし、あなたが『ゆでガエル』ならぬ、『ゆで人間』になりたくないなら、いままでと違う考え方、違う行動を始めてください。
ちなみに。
カエル料理って食べたことありますか?
僕は、海外にダイビングをしに行ったときに、何度か食べたことがあります。
味は淡白で鶏肉に似ていて、結構おいしいですよ。
骨付きの太ももなんて、見た目も鶏の手羽元みたいで、オススメですよ。
まぁ、なかなか食べる機会はないと思いますが・・・
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