サロンのリピート率を高め、売上を増やしすために、回数券はとても有効な手段です。
というよりも、リピートの獲得率と売上を安定させるためには、回数券はなくてはならないツールっていうぐらい、メチャクチャ経営に大きなインパクトを与えます。
それはサロンや整体院に限らず、多くの業種・業界で使われていることからも明らか。
とは言うものの、回数券を導入したけど単価が低くなっただけ、どうやって導入すればいいかわからない、など課題や不安を感じている方も多いんじゃないでしょうか?
てことで、この記事ではサロンや整体院で回数券導入するときに知っておくべき、7つのポイントをまとめました。
- リピート率が低くて困っている
- 売上が増えない・安定しない
- 回数券を導入したけど失敗した
- 回数券を導入しようか迷っている
- リピートが取れても2~3回しか続かない
- マインドブロックがかかって回数券販売に踏み切れない
売上を増やす5つの方法
回数券について考える前に、まず売上を増やす方法について、基本的なことをおさらいししましょう。
ばく然と、売上を増やす!っていうと、たくさんのことをする必要があるように感じませんか?
でも、売上を増やすためにすることって、大きく分けると、次の5つしかありません。
- 顧客数を増やす
- 顧客単価を増やす
- 取引回数を増やす
- 商品数を増やす
- 流出客を減らす
色々とあるように思えても。突き詰めればこの5つだけ。
それぞれについて、詳しい話はサロンで売上アップするには、この5つの方法しかありません。という記事に書いているので、ここでは回数券に関係することだけ解説します。
売上を増やす5つの方法のうち、回数券が直接的に関係するのは『顧客単価を増やす』と『取引回数を増やす』の2つ。そして、間接的には『流出客を減らす』にも関連します。
客数 | 単価 | 回数 | |
新規集客を増やす | ○ | ||
料金を上げる | ○ | ||
取引回数を増やす | ○ | ○ | |
商品数を増やす | ○ | ○ | |
流出顧客を減らす | ○ | ○ | ○ |
5つある方法の中で3つに関連するんだから、重要度が高いのも頷けますよね。
ちなみに、多くの人が上手くいかなくて悩み、かなりの時間とお金を割いている新規集客は、『顧客数を増やす』にしか関連しません。
てことは、新規集客についてアレコレ試して悩むより、回数券を売る方法を考えた方が売上へのインパクトが大きい、ってことです。
まぁ、新規集客が全くできてないと、リピートも回数券も売りようがないんですけどね。
回数券を導入する本当の理由
回数券を導入する目的は、リピート回数と売上を底上げするためです。
例えば10回の回数券を販売した場合、もしかすると4~5回ぐらいで終わっていたかもしれないお客さんが、10回リピートすることががほぼ確定します(中には回数券が残っていても来なくなる人もいますが)。
4~5回分だった売上が10回分まで入ることになるので、それだけ売上も増えることになります。
だけど、例えば1回1万円のコースの回数券だと、1回あたり9000円というように、通常価格よりもいくらか割引した価格を設定することが多いですよね。そうじゃないと、お得感がないので誰も買ってくれないですから。
なので
回数券を売れば売るほど、トータルの売上が目減りするから回数券を売りたくない
と考えている人もいます。
でも、これは経営のことをよくわかっていない人が陥っている、よくある勘違いです。
リピートの確定と売上のアップはつは回数券を導入する大きな理由ですが、じつはこれよりももっと大きな大きな理由があります。
それは、キャッシュフローを前倒しにできるということ。
キャッシュフローを良くすることは経営の最重要課題
キャッシュフローとは、いま自由になるお金が手もとにどれぐらいあるのか?ということです。
もし仮に、回数券がなくても確実に10回リピートしてくれたとして、10回分のお金が入ってくるのはいつになるでしょうか?
週に1回来てもらったとしても、10週間先のことになります。施術の間隔がもっと長ければ4ヶ月先、5ヶ月先になることだってあるでしょう。
しかも、それだって確実にリピートし続けてくれればの話。
10回分の売上を見込んでいたのに、4回目で来なくなっちゃた・・・
なんてことになると、見込んでいた売上の半分も入らなくなってしまいます。
でも、回数券を買ってもらえれば、その時点で10回分の回数券の売上が入ることになります。現金ならその場で、クレジットカード決済を使っても、多くのサービスで翌日や1週間後には入金されることがほとんど。
たとえ回数券で少し割引した金額だとしても、まとまった金額がポンっと入ってくると、それだけキャッシュフローが良くなる=すぐに使えるお金が増える事になります。自由になるお金が手許にあればGoogle広告の1日予算を増やすことも、新しいチラシを配布することもできます。
滞っている支払いにあてることだってできます。
でも、数ヶ月かけてパラパラ、パラパラと入ってきても、そんなことできないですよね。広告を増やせなくても集客が減るだけ(それでも十分すぎる大きな問題)ですが、支払いができなかったら電気やガスが止められちゃうかもしれません。
このキャッシュフローを前倒しにできることが、回数券を導入する最大の理由です。
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回数券を売るのはお客様にもメリットがある
経営的に考えると、キャッシュフローを前倒しにするために回数券が大事なのは分かった。
でも、、、
リピートするかどうかを決めるのはお客さんだから、回数券を売るのは気が引ける・・・
なんて思っていませんか?
でも、回数券を使って通うことはお客様にも、ちゃんとメリットがあるのです。
お客さんのメリット① 回数券で通常よりも安く通える
さっきも書きましたが、普通は回数券は通常よりも割り引いた金額に設定します。多くは5%~20%ぐらい。
てことは、お客さんは都度払いの金額でリピートするよりも、お得にリピートすることができるのです。これって立派なメリットですよね。
お客さんのメリット② 施術やサービスの効果が出やすくなる
回数券を導入するということは、リピートすることで効果が出る、あるいは高くなる施術やサービスを提供していることだと思います。サロンや整体院の場合は、ほぼこのケースでしょう。
都度払いだと、めんどくさくなって通わなくなるお客さんでも、回数券があると、もったいないのでちゃんとリピートしてくれます。途中でリピートをやめていたら施術の効果が得られなかった人が、回数券があることが強制力になって、ちゃんと施術の効果がでるまでリピートするのです。
これもお客さんにとってはメリットですよね。
確かに回数券があろうがなかろうが、リピートを決めるのはお客さん自身。
無理矢理に売りつけるのはNGですが、回数券という選択肢を用意するのは、サロンの経営者として必要なことだとは思いませんか?
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回数券を導入するときに見落としがちな落とし穴
回数券導入の最大の目的は、サロンを経営しているあなたの目線で見れば、早い時点で先々のリピートと売上を確定させること。
そして、 キャッシュフローを前倒しにして、自由に動かせるお金を増やすこと。
一方、お客さん側の目線で見れば、1回あたりの料金が割引になることと、回数券という強制力が働くことで、ちゃんと効果が出るようにリピートすること。
結果的には、回数券のあることがお客さんの満足度アップに繋がるので、さらに長期のリピートにつながったり、アップセルやクロスセル、紹介といった形で経営面にもいい形で返ってきます。
なんだけど、ちゃんと考えてから回数券を導入しないと、あとで痛い目にあうことになっちゃいます。
回数券導入の最大の目的は、サロンを経営しているあなたの目線で見れば、早い時点で先々のリピートと売上を確定させること。
そして、 キャッシュフローを前倒しにして、自由に動かせるお金を増やすこと。
一方、お客さん側の目線で見れば、1回あたりの料金が割引になることと、回数券という強制力が働くことで、ちゃんと効果が出るようにリピートすること。
結果的には、回数券のあることがお客さんの満足度アップに繋がるので、さらに長期のリピートにつながったり、アップセルやクロスセル、紹介といった形で経営面にもいい形で返ってきます。
なんだけど、ちゃんと考えてから回数券を導入しないと、あとで痛い目にあうことになっちゃいます。
どんな痛い目にあうのかと言うと。。。
客単価が低くなる
回数券は通常の価格から、いくらか割り引いた金額に設定する必要があります。
例えば、1回5000円の施術で10回分の回数券を作る場合。
5000円×10回だからといって5万円にしても、なんのお得感もないので誰も買ってくれないですよね。
なので、回数券を作るときには、割引をすることは必須条件でもありますが、この割引率をしっかりと考えとかないと、顧客単価が安くなりすぎてしまうので注意が必要です。
価格設定をするときのテクニックで『松竹梅の法則』というのがあります。
これは商品の価格帯を3つ用意するというマーケティングの定番テクニックなんですが、回数券の割引率と松竹梅の法則を間違って組み合わせちゃうと、回数券を売れば売るほど売上も利益も減ってしまう。。。なんて事に陥っていまします。
売上を増やそうと思って回数券を導入しても、その結果がこんなことになってしまったら、やる気も失せちゃいますよね。。。
なので、回数券を導入するときは、回数券が売れたときの単価を基準に考えて、そのもとになる通常の金額をより高く設定し直すことも視野に入れておいてください。
回数券の販売に欠かせないクレジットカード決済
さて、突然ですが質問です。
あなたの財布には、いま現金がいくら入っていますか?
ちなみに、僕は3万4260円です^^
もし、僕があなたのお客さんだった場合。回数券の金額が3万5000円以上だと、買いたくても買えないですね。
でも、現金以外の支払い方法があれば、せっかくのチャンスを逃すことなく回数券を買ってもらうことでき、リピートも売上も増やすことができます。
そのために欠かせないものがクレジッカード決済です。
数回分の施術代金をまとめて支払う回数券は、当然ながら高額になりますよね。
2~3万円程度なら財布に常備している人もいるでしょう。でも、さすがに5万円、10万円となってくるとほとんどの人は手持ちの現金だけでは支払えないと思います。
僕も買い物や旅行などでに使う予定でもない限り、5万円以上の現金が財布に入ってることなんて、ほぼありません。まとめて高額の支払いをするなら、銀行振込やクレジットカードを使いますしね。
スマホがあればクレジットカード決済を導入できます
一昔前、クレジットカード決済を導入するには、代行会社と契約との契約が必要でした。
でも、個人事業だと、まず審査がほぼ通らない。
審査が通ったとしても、専用の回線と端末を設置するコストがバカ高い。代行会社や端末の機種、業種、利用金額によっても変わりますが、導入するだけで2~30万円は必要でした。
しかも、手数料も高い。
てな感じで、クレジットカード決済を導入するのは、かなりハードルが高いものでした。
だけど、いまはスマホを使ってクレジット決済ができるサービスも増えました。
多くの場合、スマートフォンに専用のアプリをインストールして、イヤフォンジャックにカードリーダーを差し込んで、クレジットカードを読み込ませることで決済ができる仕組みです。
一時期、いろいろなサービスが乱立していましたが、いまはかなり淘汰されて次の4社が残っています(2020年4月現在)
それぞれ似通ったサービスですが、手数料や使える環境、入金のタイミングなどが違うので、あなたにあったサービスを選んでください。
そして、できるならばメインの決済方法だけじゃなく、サブの決済方法として複数のサービスを申し込んでおくことをおすすめします(詳しくは後述します)。
スマートペイより、まずはクレジットカード決済
いまはクレジットカード以外にも、PayPayやLINE Payなどのスマートペイがキャッシュレス決済として普及しているので、クレジットカード決済はなくても大丈夫、って思うかもしれません。
でも、PaypayやLINEペイに代表されるスマートペイよりも先に、クレジットカード決済を導入することをおすすめします。
なぜなら、スマート決済の多くは事前チャージ式。お客さんが回数券を買おうと思ったとき、チャージ金額が足りていないと、チャンスを逃してしまう可能性があります。
そんなの、もったいないですよね。
しかも、スマート決済を使っている人のほとんどすべては、おそらくクレジットカードも持ち歩いていると思われるので、クレジットカード決済があればこういった人たちにも対応が可能です。
もちろん多くのお客さんに対応するために、決済方法はできるだけ種類を増やしておくことが望ましいので、どれか1つだけにするのではなく、複数の決済方法に対応できるようにしておきましょう。
クレジットカード決済で5万円以上の回数券がNGになる特定継続役務
回数券を作った!
クレジットカード決済も導入した!
さぁ!回数券売りまくるぞ!!!
と意気込んだところで、水を差すようで申し訳ないのですが、、、
じつはクレジットカードやスマホ決済を使って、5万円以上の回数券を販売することはできないケースがあります。
それは『特定継続役務』に該当すると判断された場合です。
くわしくは特定継続役務の制限に縛られず、5万円以上の回数券をクレジットカード決済で販売する方法に書いていますが、バックリとまとめると<利用期間が1ヶ月以上>で<金額が5万円以上>だと、決済ができませんよ。てことです。
ん~、残念。。。
でも、特定継続役務の5万円ラインを回避する方法を編み出したので、安心してください。
楽天Payで一発アウト!!
実を言うと、僕も整体院を経営していた頃に、特定継続役務販売に引っかかりました。
当初は楽天Payを使っていたのですが、6万円の回数券を販売したところ、販売内容の確認も注意勧告も何もなく、いきなり利用停止になってアカウントが凍結されました。
このときは楽天ペイの他にも『Square』と『PayPalHear(2016年でサービス終了)』も用意していたので、事なきを得ましたが、楽天ペイしかなかったら終わってました。
なので、何かあったときのためにも、予備として複数の決済方法を用意しておきましょうね。
回数券を売るためにマインドセットを変えろ!の嘘
ここまでくれば、あとはお客さんに案内して回数券を売るだけです。
でも、いままで回数券を売っていなかったり、売っていても金額が安かったりで、5万円以上するような高額の回数券を売れない、という理由で導入に踏み切れない人がいます。
このハードルをなんなく乗り越えた人には信じられないかもしれないですが、かなりいます。
回数券だけじゃなく、そもそもリピート獲得に積極的になれない、っていう人もメチャクチャいます。
そんなとき、よく言われるのが
リピートを取れるマインドセットを作りなさい!そうすれば回数券を売れるようになる!
ていう、マインドセット万能論。
そう書いている書籍も多いし、こんなこと言ってるコンサルもたくさんいますよね。
でも、コレは真っ赤っ赤な大嘘です。
騙されちゃダメですよ。
マインドセットはあとから付いてくる
別にマインドセットが不要だと言ってるのではないですよ。ビジネスであれ、勉強であれ、人間関係であれ、マインドセットはメチャクチャ大切です。
だけど、マインドセットは一朝一夕に変わるものではありません。
通常、マインドセットは、
思考→選択→行動→結果→結果を受けてまた思考→選択→行動→結果・・・・
という具合に、考えて行動し、その結果からフィードバックを受けて、また考えて行動して、というループを繰り返すことで、少しずつ変わっていきます。
そして、マインドセットが変わると思考が変わるので、行動も結果も変わってくるわけです。
なぜ、通常という条件をつけているかというと、このループをふっとばすぐらい強烈なフィードバック(事故、戦争、病気、衝撃的な出会いなど)を経験した場合は、一気にマインドセットが変わることがあるからです。
でも、ぶっちゃけ日常生活でそんな事が起きるのは、ごくごくレアケース。
なので、普通はものすご~く時間がかかります。
早くて数週間。長ければ数ヶ月。年単位の時間がかかることだってあります。
そんなの待ってたら、いつまで経っても回数券を売れないですよね。
っていうか「回数券を売った」というフィードバックがないので、いつまでもマインドセットは変わりません。
じゃ、どうすればいいかというと、
リピートを獲得して回数券を売りまくる
まずは、回数券販売の準備をして、とにかく売ること。
それしかありません。
いくら自己啓発の本を読んでも、自分で実際に回数券を販売していかないかぎり、マインドセットはず~っと、もとのまんま。何も変化も起こりません。
なので、あなたも回数券を導入して、リピート率と売上を高めたいなら、まずは案内をはじめることが最初の一歩です。
まとめ
回数券の導入にあたって、知っておいてほしいことをまとめてみました。
回数券を始めたいけど、何からすればいいのか分からない…
回数券を作ったものの、ぜんぜん売れない…
という、場合はこの記事をしっかりと読んで、実践していってください。
どんな流れで案内すればいいのか、どう伝えればお客さんに受け入れてもらえるのかが分からなかったら、僕が整体院で使っていた初回のカウンセリン中に9万9000円の回数券が勝手に売れるトークスクリプトを使ってみてくださいな。